近年、マンション管理業界では「管理会社から契約終了を告げられた」という相談が増えています。
2026年7月20日付の日本経済新聞でも、「切り捨てられる小型物件」という見出しで、小規模マンションが抱える課題が取り上げられていました。
記事では「40戸ないと採算が合わない」という管理会社の声も紹介されており、マンション管理を取り巻く環境が大きく変わり始めていることが分かります。
なぜ小規模マンションが敬遠されるのか
マンション管理には、規模に関係なく一定の業務が発生します。
例えば、
- 理事会・総会への出席
- 会計・出納業務
- 建物や設備の点検手配
- 管理員の配置
- 居住者からの問い合わせ対応
- 緊急時の対応
これらの業務量は、20戸でも100戸でも大きく変わらない部分があります。
しかし、戸数が少ないマンションでは管理委託費を各戸で負担するため、一戸あたりの負担を大きく上げない限り、管理会社として十分な利益を確保しにくくなります。
さらに近年は、
- 人件費の上昇
- 管理員不足
- 建築資材・光熱費の高騰
- DX投資の必要性
などにより、管理会社のコストは年々増加しています。
その結果、採算の合わない物件から撤退するケースが以前より珍しくなくなってきました。
「突然の解約通知」は他人事ではない
新聞記事でも「管理会社、解約通知は突然に」と紹介されています。
実際、管理会社は契約内容に従って一定期間前に通知すれば契約を終了できる場合があります。
もちろん、すぐに管理が止まるわけではありませんが、短期間で次の管理会社を探さなければならず、理事会や管理組合にとって大きな負担になります。
特に小規模マンションでは、
- 次の管理会社が見つからない
- 管理委託費が大幅に上がる
- 一部業務を管理組合で担う必要が出る
といった問題が発生する可能性があります。
管理組合が今からできる対策
管理会社から突然契約終了を告げられないためにも、日頃から次のような準備をしておくことが重要です。
① 管理委託費を適正に見直す
「今まで値上げを断り続けてきた」というマンションほど注意が必要です。
もちろん安ければ良いというものではなく、適正な価格で継続して管理してもらえる体制を整えることが重要です。
② 管理会社任せにしない
理事会や管理組合が建物の状況を把握し、必要な判断を自ら行える体制づくりも欠かせません。
管理会社との良好な関係づくりにもつながります。
③ 複数社との情報交換
契約更新の時期だけではなく、普段から他社の情報を把握しておくことで、万一の際にも慌てず対応できます。
小規模マンションだからこそ専門家の活用を
小規模マンションは管理費収入が限られる一方で、運営上の課題は大規模マンションとほとんど変わりません。
そのため、第三者であるマンション管理士を活用し、
- 管理会社との交渉
- 委託内容の見直し
- 新たな管理会社の選定支援
- 管理組合運営のサポート
を受けることで、管理会社への依存を減らし、安定した運営につなげることができます。
まとめ
「40戸ないと採算が合わない」という声は、管理業界の厳しい現状を象徴しています。
すべての小規模マンションが管理会社から契約を打ち切られるわけではありません。しかし、人手不足やコスト上昇が続く中、管理会社が管理する物件を選ぶ時代に入りつつあることは間違いないでしょう。
管理組合としては、「突然の解約通知」を受けてから動くのではなく、日頃から適正な管理委託費や管理体制を見直し、将来を見据えた運営を進めることが重要です。
更に詳しい情報が知りたい方はエースマンション管理士事務所へお気軽にご相談ください。

