「中東情勢なんて、日本のマンションとは関係ない」
そう思われるかもしれません。
しかし現在、中東地域の緊張悪化により、ウレタン防水材などの原材料価格が上昇し、マンション大規模修繕工事にも影響が出始めています。
実際に、防水メーカー各社では価格改定の動きが広がっており、工事費上昇リスクが現実のものとなっています。
今回は、最新の価格改定情報を踏まえながら、
- なぜ中東情勢が修繕工事に影響するのか
- どの工事項目に影響が大きいのか
- 管理組合は何に注意すべきか
を、マンション管理組合向けにわかりやすく解説します。
なぜ中東情勢で防水材が値上がりするのか?
マンション大規模修繕工事で使用される材料の多くは、石油化学製品です。
特に影響が大きいのが、
- ウレタン防水材
- シーリング材
- 塗料
- 接着剤
などです。
これらは石油由来原料を多く使用しており、中東情勢の悪化によって原油価格や化学原料価格が不安定になると、国内メーカーの製造コストが大きく上昇します。
さらに近年は、
- 海上輸送コスト
- 円安
- 人件費上昇
- 運送費高騰
も重なっており、建設業界全体が大きなコスト上昇局面に入っています。
実際に防水メーカー各社で値上げの動きも
実際に、国内防水材メーカー各社では、2026年に入り価格改定の動きが相次いでいます。
「昨今の中東情勢の悪化等に起因する原料調達環境の急激な変動」
が価格改定理由として明記されており、ウレタン関連製品について15〜30%程度の値上げが案内されています。
これまでの“建設コスト上昇”に加え、国際情勢リスクが直接、マンション大規模修繕工事へ波及している状況と言えるでしょう。
特に影響を受けやすい工事項目
屋上防水工事
最も影響が大きい工事項目のひとつです。
ウレタン防水材は、マンション大規模修繕工事で非常に多く採用されています。
開放廊下・階段・バルコニー防水
歩行用防水や床シート下地処理などでも、ウレタン系材料が使用されます。
シーリング工事
シーリング材も石油化学製品であり、価格変動の影響を受けやすい材料です。
外壁塗装工事
塗料にも石油系原料や溶剤が使用されています。
管理組合に起こり得る実務上の問題
半年前の見積が通用しない
以前取得した概算見積が、すでに現在価格と乖離しているケースも増えています。
見積有効期限が短くなる
材料価格変動が大きい時期は、施工会社側も長期間の価格固定が難しくなります。
修繕積立金不足リスク
長期修繕計画が数年前の単価で作成されている場合、実際の工事費との差が大きくなるケースもあります。
管理組合が今後注意したいポイント
① 修繕計画を先送りしすぎない
「もう少し様子を見る」が、結果的にさらに高騰するケースもあります。
② 複数社比較を行う
価格上昇局面では、会社ごとの差も大きくなりやすくなります。
③ “安さだけ”で判断しない
極端に安い見積には注意が必要です。
価格だけでなく、
- 実績
- 品質管理
- 保証内容
なども含めて総合判断することが重要です。
まとめ
現在の中東情勢悪化は、日本のマンション大規模修繕工事にも確実に影響を及ぼし始めています。
特に、
- ウレタン防水
- シーリング
- 塗装工事
などでは、今後も価格上昇が続く可能性があります。
管理組合としては、
- 最新価格動向を把握する
- 長期修繕計画を見直す
- 早めに準備を進める
ことが、これまで以上に重要な時代になってきています。
更に詳しい情報が知りたい方はエースマンション管理士事務所へお気軽にお問合せください。

