大規模修繕工事の談合問題に国交省が新たな対策を提示
2025年3月から4月にかけて、公正取引委員会が大規模修繕工事における談合疑惑で大手業者への立入検査を行ったことは、記憶に新しい出来事です。
管理組合にとっては、工事費の高騰や居住者からの不信感など大きな影響を受ける問題であり、業界全体に大きな衝撃を与えました。
国土交通省が示した「談合違約金特約条項」とは
こうした状況を踏まえ、2025年6月26日、国土交通省は関係団体に対して「談合違約金特約条項」の導入を推奨する事務連絡を発出しました。
これは、契約の段階であらかじめ談合行為が発覚した場合、受注者に違約金を支払わせる条項を組み込むことを推奨するものです。
- 対象:マンション修繕工事などの請負契約
- 内容:談合行為が確定した場合、契約金額の一定割合(例:10%)を違約金として支払う
- 背景:すでに国交省直轄工事でも同様の条項を導入済み
モデル条項の例(国交省資料より)
以下は、国交省が示したモデル条項の一例です。実際に契約書に盛り込む際には、必ず弁護士などの専門家と相談してください。
(談合違約金特約) 受注者が、独占禁止法違反に基づく公正取引委員会の排除措置命令や課徴金納付命令、 または刑事判決等により談合行為を行ったことが確定した場合には、 受注者は発注者に対し、契約金額の10%に相当する額を違約金として支払う。
導入のメリット
- 談合抑止効果:違約金のリスクを業者に意識させることで不正防止に寄与
- 透明性の向上:住民説明時に「契約に談合防止条項を入れた」と説明可能
- 交渉材料:業者との契約交渉における抑止力となる
導入の注意点
- 違約金の支払いを巡って争いになる可能性がある
- 契約条項の有効性をめぐり訴訟リスクがある
- 必ず専門家(弁護士・マンション管理士など)に確認した上で導入すべき
管理組合が取るべきステップ
- 理事会や総会で談合リスクについて共有し、居住者の理解を得る
- 専門家に相談し、自分たちのマンションに適した条項へ修正
- 契約書案に条項を組み込み、業者と合意
- 総会での承認を経て契約を締結
- 居住者への説明資料に盛り込み、透明性を確保
まとめ
大規模修繕工事の談合問題は、管理組合の資産価値や住民の信頼を大きく揺るがす重大なリスクです。
今回、国土交通省が示した「談合違約金特約条項」は、管理組合が自ら契約に防止策を組み込むための大きな一歩となります。
これから大規模修繕工事を計画するマンション管理組合の皆様は施工業者同士の談合について、細心の注意を払い進めていくことを推奨いたします。
更に詳しい情報が知りたい方はエースマンション管理士事務所へお気軽にご相談ください。


