今回は大規模修繕工事瑕疵保険についてお話ししていきます。

【大規模修繕工事瑕疵保険とは?】

マンション大規模修繕工事とは、足場を掛けて行う外壁改修や屋根防水です。施工を行う施工業者は工事完了後、工種別に保証書を発行し、施工箇所に不具合が発生した場合、その責任を負う事を明確にいたします。しかし、万が一その施工業者が倒産してしまった場合、瑕疵責任を負う者が不在となり、管理組合側の自費で瑕疵対応を行わなくてはならないリスクがあります。このリスクを回避するための保険を大規模修繕工事瑕疵保険といいます。

【瑕疵保険加入のメリット】

①大手施工業者に限定せず、中堅以下の施工業者を含めて広い範囲で施工業者選定が可能となる。

※倒産リスクを心配すると大手施工業者のみに目を向けてしまいますが、瑕疵保険の加入があれば中堅以下の施工業者へ発注が可能となり、多くの施工業者を候補に入れる事ができます。

②竣工後の瑕疵対応が手厚くなる。

※施工業者としては、自分たちの施工を瑕疵と認めて無償で是正するのを嫌がる特性があります。しかし、瑕疵保険加入のマンションであれば、必要費用を保険会社から施工業者へ支払われ、必要な是正工事を行いますので、スムーズに対応してもらう事ができます。

③保険会社の検査が追加される。

※瑕疵保険に加入すると工事完了後の確認検査を保険会社が実施いたします。保険会社としても、保証するためには一定の品質をクリアしている事を確認しておきたいため、検査が行われる仕組みです。

【保険加入者】

大規模修繕工事の瑕疵保険に加入するのは管理組合と思いがちですが、仕組みとしては、大規模修繕工事を行う施工業者が加入する保険です。したがって、管理組合は施工業者へ見積依頼する際、当該保険の加入を義務付ける事が必要になります。その保険加入費用が見積金額に反映してくる仕組みです。

【保険対象の主な内容】

・雨水の侵入による漏水
・構造上の耐力性能が失われたとき(柱や壁・床のひび割れなど)
・共用部の給水・排水設備の不良
・共用部分の電気設備の不良
・手摺などが腐食して危険を感じるとき
・外壁タイルの剥落

【保険対象外の主な内容】

・地震・台風・落雷などの自然災害が原因で発生した瑕疵
・火災が原因の瑕疵
・ネズミや虫食いなどが原因の瑕疵
・タイル剥落などで第三者に被害が発生したときの保証
・タイル剥落などが原因で第三者の自動車などが物損したときの保証

【保証期間】

防水及び外壁タイル剥落の特約付保・・・・10年

通常の外壁タイル改修・外壁塗装塗替え・・5年

手摺他鉄部関係の改修・・・・・・・・・・2年

※保証期間は改修工法や保険会社によって異なります。

【保険会社】

住宅あんしん保証・ハウスプラス住宅保証の2社有名で多くの大規模修繕工事で利用されております。

【保険費用の目安】

※住宅あんしん保証の金額目安

①28戸のマンション大規模修繕工事・工事金額2,800万円・保険料261,590円

②48戸のマンション大規模修繕工事・工事金額4,800万円・保険料333,400円

③140戸のマンション大規模修繕工事・工事金額1億4,000万円・保険料683,640円

以上です。更に詳しい情報が知りたい方はエースマンション管理士事務所へお気軽にご連絡ください。

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