今回はマンションごとで管理費の金額差が発生する
要因についてお話ししていきます。
管理費とは、マンションの日常管理に使われるもの
です。廊下やエレベーター、エントランスなどの
電気代や、清掃作業を行うための水道代などの水道
光熱費や、設備の保守・メンテナンス費、管理組合
の活動資金などが管理費から支払われます。
管理業務を管理会社に一括で委託している場合は、
管理会社に支払う管理委託費が占める割合が大きく
なります。管理費会計から支払うものは、具体的には
以下のような項目があります。
①管理員さんの人件費
管理員さんの派遣費用です。
管理員さんの出勤日数や1日の労働時間数によって
総額が変わってきます。
②事務管理業務費
会計業務や理事会・総会の支援業務などの事務管理
業務費です。
③共用設備の保守・点検費用
給排水設備・エレベーター・消防設備・機械式駐車場
などの保守・点検・維持管理費です。
④清掃費
日常的に行う清掃費や、月に1度から数カ月に1度
くらいの頻度で行う特別清掃の費用です。
⑤植木・植栽の管理費
マンション敷地内の植木・植栽の刈り込み、消毒・
除草等の維持管理費用です。
⑥共用部分の水道光熱費
主に共用部の電気代です。
⑦小修繕費
各種設備に不具合が生じた場合の修繕費用です。
数年ごとに計画的に行う高額な工事は修繕積立金から
捻出しますが、日常の管理の延長で発生するような
不具合対応は管理費から賄うのが一般的です。
⑧損害保険料
火災や台風や暴風雨による水害に備えて加入する
保険です。管理組合として加入する保険ですから、
原則的には共用部が対象となりますが、個人賠償責任
特約を付けることで、たとえば上下階の漏水事故
などもカバーされます。
続いて本題のマンションごとで金額差が発生する
要因について挙げていきます。
①マンション内に維持コストのかかる設備などがある
敷地内に大きな中庭や水路などがあり、維持費が
掛かる場合やタワーマンションの場合、設備機器の
維持費用が高額となる事も多いです。
②マンションの規模小さい
小さな規模のマンションであれば大規模マンションと
比べて、管理にかかる総コストは少額だと言える
でしょう。しかし、実際のところでいえば戸当たりで
案分することで、管理費が割高になってしまう場合
も多く見受けられます。例えば20戸のマンションと
40戸のマンションで日常的な清掃を行い、そこまで
作業時間も変わらないとする場合、発生した人件費を
20で割るか40で割るかで、1戸あたりの負担額は
大きく異なります。小規模マンションの方が、
負担額が大きくなってしまう訳です。
③管理会社との契約金額が高い
管理会社にすべて業務を委託しているマンションの
場合、管理費の多くが管理会社への発注に回され
ます。たとえば、利益率を30%で設定している
管理会社と20%で設定している管理会社では、
当然ながら管理組合の発注金額は大きく異なります。
④管理のクオリティが高い
たとえば管理員を週5日の8時間勤務にしてもらって
いたり、植栽の剪定の頻度が多すぎたりする場合が
挙げられるでしょう。エレベーターのメンテナンス
1つとっても、その契約内容次第で大きく変わり
ます。メーカー系の会社に委託するか、独立系の
会社に委託するかでも金額は変わりますし、POG
契約(パーツ・オイル・グリス契約=エレベーター
の点検・注油・消耗部品交換のみ対応する契約)か、
フルメンテナンス契約なのかによっても金額が
変わります。クオリティの高い管理業務には
もちろん相応のコストがかかりますが、果たして
そこまでのクオリティが本当に必要なのか、改めて
精査する必要があるかもしれません。
しかし、管理費はとにかく安く抑えようとする
あまり、マンションの維持管理が行き届かなく
なる事も避けなければなりません。
結果的に居住者同士の関係性が悪化したり、
資産価値が低下してしまう事も懸念されます。
以上です。更に詳しい情報が知りたい方は、
エースマンション管理士事務所へお気軽に
ご相談ください。