今回は管理組合の法人化についてお話ししていき
ます。
管理組合法人とは、その名の通り、マンション管理
組合が法人格を取得した団体をいいます。
したがって、マンション管理組合の名称が、
「管理組合法人●●マンション」のような名称に
なります。
2018年の総合調査によると回答した1688管理組合
の中で法人化している管理組合は13.2%です。
傾向としては、築年数が古い住宅ほど、法人化して
いる結果となっております。
管理組合が法人化するための方法は以下の通りです。
【管理組合が法人化する方法】
①総会で区分所有者及び議決権の4分の3以上の
賛成を取得する。
②「管理組合法人●●マンション」のような
名称を設定する。
③法務局で登記手続きを行う。
管理組合が法人化した場合のメリットとデメリットは
以下の通りです。
■メリット
①管理組合が不動産の登記名義人となれる
管理組合はマンションが不動産を取得したとしても、
理事長などの個人名で登記することになります。
それにより、理事長の任期が来る度に名義変更登記が
必要となり多額の登記費用を要することになります。
しかし、法人化によりマンション管理組合の名前で
登記名義人となれますので、理事長を交代する度に
名義変更登記をしなければならない問題を解決する
ことができます。
②管理組合が銀行口座の名義人となれる
管理費用・修繕積立金について理事長による不正が
まれに発生している現状において、法人化によって
マンション管理組合名義の口座により財産の明確化を
はかることができます。また、理事長名義の口座の
ままで理事長が亡くなってしまった場合、理事長
自身の相続財産であるか否かがわからなくなり、
マンション管理組合までも相続争いに巻き込まれる
ケースも存在しておりますので、財産の明確化という
観点からも大きなメリットがあります。
③法的手段の簡易迅速性
規約違反の差止・立退交渉・管理費・修繕積立金
滞納等、管理組合と住民側とのトラブルは法人化に
より、調停や訴訟等の法的措置の実行がよりスムーズ
になります。また、訴訟継続中の理事長が交代に
より、訴訟手続きが煩雑、訴訟中断等の事態回避が
可能となります。
■デメリット
①法人登記事務の手間
法人格となることによって、法人の登記事項に変更が
生じる際に登記手続きの手間が増える事になります。
②経費の増加
理事長が再任しても、任期満了により改めて役員の
変更登記手続きが必要になりますので、役員の任期は
原則2年、規約で長くしても最長3年毎に登記の出費を
想定する必要があります。
③法人税課税
管理組合法人は、区分所有法第47条13項において、
公益法人とみなされていますので、法人税法上の収益
事業(マンションの敷地内に区分所有者用の駐車場に
ついて区分所有者以外の第三者に有料で貸付けている
場合)は、駐車場業に該当しますので法人税が課税
されます。
以上です。更に詳しい情報が知りたい方は、エース
マンション管理士事務所までお気軽にご連絡くだ
さい。