今回は長期修繕計画書についてお話ししていきます。
【長期修繕計画書とは】
マンションの今後30年間分の予定修繕工事一覧と
修繕積立金等を計算した収支計画資料の事を
いいます。略して長計と呼ぶ人も多いです。
【長期修繕計画書のサンプル】
下のような修繕項目一覧や収支計画グラフが主な
資料です。この書式は国土交通省が発行しており、
作り手によって出来栄えが大きく変わらないように
なっております。


【長期修繕計画書の必要性】
マンションを維持管理していくうえで定期的な
高額工事が発生してきます。外壁改修等を中心と
した大規模修繕工事・エレベーター改修工事・
インターホン更新工事・給排水管改修工事等です。
これらの工事をいざ実施しようと思っても、
修繕積立金が溜まっていないと工事ができません。
このような事態にならないよう概算工事費用と
毎年の収入を計算した長期修繕計画が必要です。
【近年の長期修繕計画書の需要】
近年では管理計画認定制度・管理適正評価制度の
審査項目に「国土交通省書式に準拠した長期修繕
計画書が作成されていること」が含まれており、
認定を受けたいマンションや評価(★)を
上げたいマンションはこれまで作ったことがなかった
長期修繕計画書を作成しよう!と需要が高まっており
ます。
【長期修繕計画書の作成依頼先】
長期修繕計画書の主な作成依頼先は以下3つです。
①マンション管理会社
②マンション改修工事の設計事務所
③マンション管理士事務所
【長期修繕計画書を作成するうえでの注意点】
①根拠もなく工事費用を高めに設定しすぎると大幅な
修繕積立金不足という結果となり、修繕積立金の大幅
な値上げになる事もあるため、そのマンションの実績
金額や現代の工事概算をしっかり把握しておく必要が
あります。
②機械式駐車場が設置されているマンションに
ついて、当該設備の計画を含めると収支計画が混乱
してしまうため、できれば修繕積立金会計と駐車場
会計は分けて計上し、長期修繕計画書についても
別々に作成する事を推奨いたします。
③長期修繕計画書は完成したらそれで終わりでは
なく、総会に上程し、区分所有者からの承認を得て
おく必要があります。
【長期修繕計画書の見直し】
長期修繕計画書は定期的に見直す必要があります。
計画通りに工事を実施しないケースや社会情勢の
変化で一部計画を変更する必要があったりする
ためです。長期修繕計画書の見直しサイクルは
5年ごとを推奨いたします。
以上です。更に詳しい情報が知りたい方は、エース
マンション管理士事務所へお気軽にご相談ください。