今回は専有部分を含めた給排水改修工事について
お話ししていきます。
マンションは共用部分の給排水管と専有部分の
給排水管、2種類に区分されます。
↓共用部分の給水管(廊下等のメーターボックス)
↓共用部分の雑排水管(室内の内装の裏側)
↓専有部分の給水管(室内の床下等)
原則としては、共用部分の給排水管は修繕積立金から
支出し、管理組合全体で改修工事を実施し、専有部分
の給排水管改修は個別に実施する事となります。
しかし、管理組合の考え方によっては劣化進行度は
各戸同等であると考えられるため、専有部分の
給排水管についても、マンション全体で実施する
ケースもあります。
専有部分の給排水管も含めて改修工事を実施する
場合の情報を以下にまとめます。
【専有部分の給排水管を含めて改修するメリット】
①上階からの配管が起因する漏水リスクがマンション
全体で回避できる。
※室内配管漏水は下階に被害が及び、自身には被害が
発生しないため、満足に対応してもらえないケースが
ある。
②マンション全体で専有部分の改修工事を発注する
ため、個別で発注するよりも安価に発注できる。
※スケールメリットが発揮される。
【専有部分の給排水管を含めて改修する懸念事項】
①区分所有者の合意形成を図るのに苦労する。
※本来マンションの修繕計画上、予定していない
工事であるため、個別に改修工事を行えば良いと
考える人も存在する。
②水廻りの設備機器や内装リフォームを終えて
いる住戸は抵抗がある。
※専有部分の給排水管を改修する場合、内装の
一部解体や設備機器の脱着が発生する。
③修繕積立金が不足する。
※長期修繕計画上、予定にない工事であるため、
修繕積立金残高では工事が行えず、専有部分配管の
改修費用を借入れする事が多い。
【専有部分の給排水管を含めて行う改修工事費用】
①共用部分給水管
②共用部分雑排水管・汚水管
③専有部分配管
↑上記全てを実施した場合、戸あたり概算費用は
約120万円~170万円必要です。
※配管方法・内装の復旧方法・管種によって
費用は大幅に変動いたします。詳しい工事金額を
入手するには専門業者からお見積りを取得する
事を推奨いたします。
【本工事を成功させるポイント】
専有部分を含めた給排水管改修工事を成功させる
には3回以上、区分所有者全員に説明会を開催
する事がポイントです。唐突に総会議案にあげても
否決されてしまうため、長期的に本件に関する
計画を説明し、各区分所有者の理解を深める
事が必要です。
以上です。更に詳しい情報が知りたい方は、
エースマンション管理士事務所へお気軽に
ご相談ください。