今回は建設業界週休2日制の影響についてお話し
していきます。
そもそもこの建設業界週休2日制の始まりになった
のは、2019年に施行された働き方改革です。
この改革で2024年から建設業界全体で週休
2日制を導入していこうという取り組みです。
ただ、現実問題一斉に週休2日制を確保できて
いる建設会社は少ないといわれており、大手の
ゼネコンや公共工事に携わる会社から少しずつ
定着を目指している状況です。
建設業界に週休2日制が定着できない理由は
いくつかありますが、1番の理由は、作業を
行う職人さんの給与形態が日給月給制で
あると私は考えます。
サラリーマンのように毎月一定額が支払われる
月給制であれば職人さんも喜んで休暇を取り
ますが、ほとんどの職人さんは働いた日数に
応じて給料が支払われる方式であるため、
今まで働いていた土曜日を休むと1ヶ月の
給料が4万円以上減ってしまう事態になります。
続いて建設業界週休2日制とマンション大規模
修繕工事の影響についてお話ししていきます。
マンション大規模修繕工事の施工業者で完全な
週休2日制を実現できている会社はまだ存在
しないと見受けれます。ただ、近年では隔週で
土曜日を休工にする現場が増えてきたり、
前向きに取り組んでいる施工業者も多いです。
マンション大規模修繕工事で週休2日制を
実現しにくい理由は以下の通りです。
①土曜日を休みにする事で工期が延び、足場
設置費用や現場管理費用が増額してしまう。
(管理組合の資金面を圧迫してしまう)
②仮に1週間のうち、1日2日雨で休工と
なった場合、1週間で3日4日しか作業が
できず、予定工期に間に合わない事態となる。
③新築工事と違い人が住みながらの工事となるため、
居住者側としては迅速に工事を進めてもらい、
足場で覆われている期間を短くしてほしい意向が
ある。(バルコニー出入り制限・洗濯物干しの制限・
窓開閉の制限・眺望の低下等が発生するため)
上記のような課題もありますが、建設業界の
週休2日制を実現しないと若者の労働者が益々
離れていってしまい、建設業界全体の人手不足を
更に加速させてしまうため、放ってはいけない
社会問題でもあります。
以上です。この他、マンション改修工事の相談等が
あれば、お気軽にエースマンション管理士事務所に
ご相談ください。