2026年4月25日・5月5日合併号の「マンション管理新聞」では、全国の大規模修繕工事会社への緊急アンケート結果が掲載され、多くの現場で
- 資材不足
- 納期遅延
- 工期への影響
- 金額変更協議
などが発生している実態が明らかになりました。
今回は、管理組合として知っておきたい「中東情勢と大規模修繕工事の関係」を分かりやすく解説します。
なぜ中東情勢がマンション修繕に影響するのか?
一見すると、
「中東情勢と日本のマンション修繕って関係あるの?」
と思われるかもしれません。
しかし実際には、大規模修繕工事で使用される多くの建築資材が、原油価格や海外物流の影響を強く受けています。
特に影響が大きいと言われているのが、
- 防水材
- シーリング材
- 塗料
- 樹脂系材料
- 一部金属製品
などです。
これらは石油由来製品が多く、原油価格上昇や物流混乱が発生すると、一気に価格や供給状況が悪化します。
緊急アンケートで判明した「594物件に影響」
2026年4月に実施された大規模修繕工事会社等への緊急アンケートでは、87社中51社が回答。
そのうち約6割にあたる企業が「工期への影響」を回答しました。
回答企業の多くは、大規模修繕工事を多数手掛ける専門会社であり、現場レベルで影響が顕在化していることが分かります。
具体的には、以下のような結果となっています。
■ 工期への影響
- 51社・594物件で「工期に影響あり」
■ 資材入手困難・納期遅延
- 42社・356物件
■ 請負金額変更が必要
- 14社・76物件
■ 今後の見通し
- 「今後の資材入荷が読めない」
- 「価格改定が止まらない」
- 「納期回答が未定」
といった声も多く、先行き不透明感が強まっています。
つまり、
「現時点では工事できているが、今後どうなるか分からない」
という状況に、多くの工事会社が危機感を持っているのです。
「受注停止」や「工事中断」の可能性も
記事では、材料メーカーによる
- 一時受注停止
- 納期未定
- 価格改定
なども発生していると報じられています。
これにより現場では、
- 工事着工できない
- 足場設置後に工程が止まる
- 代替材料への変更
- 契約金額見直し
といった問題が起き始めています。
特に大規模修繕工事は、
- 数か月〜1年以上の長期工事
- 契約から着工まで期間が空く
- 材料使用量が多い
という特徴があり、価格変動の影響を非常に受けやすい工事です。
管理組合が今すぐ注意すべきポイント
① 「見積有効期限」を必ず確認する
最近は、
- 「30日間のみ有効」
- 「資材変動時は別途協議」
という見積条件が増えています。
以前の感覚で、
「数か月後に契約すればいい」
と考えていると、金額が大きく変わる可能性があります。
② “安い会社”が危険なケースもある
価格競争で無理な受注をした結果、
- 資材高騰に耐えられない
- 赤字化
- 工事品質低下
- 下請未払い
- 工事停止
などにつながるリスクがあります。
単純な価格比較だけでなく、
- 財務体質
- 実績
- 資材調達力
- 代替提案力
も重要です。
③ 工期遅延前提でスケジュールを考える
今後は、
- 資材納期遅延
- 天候影響
- 人手不足
も重なり、従来より工期が延びる可能性があります。
総会スケジュールや資金計画にも、余裕を持たせることが重要です。
④ 契約条項の確認が重要
最近は契約書内に、
- 資材価格急騰時の協議条項
- 不可抗力
- 納期変更
- 代替材料使用
などが盛り込まれるケースが増えています。
理事会だけで判断せず、
- 設計監理者
- マンション管理士
- 顧問
- 弁護士
など専門家確認を行うことが望ましいでしょう。
まとめ
中東情勢の悪化は、遠い海外の問題ではなく、日本のマンション大規模修繕工事にも大きな影響を与え始めています。
管理組合としては、
- 早めの準備
- 余裕あるスケジュール
- 契約条件確認
- 施工会社選定の慎重化
がこれまで以上に重要になります。
特に2026年以降は、
「資材が入らない」
「工事が止まる」
「金額変更協議になる」
といった事態も現実的なリスクとして考える必要があるでしょう。
これから大規模修繕工事を予定している管理組合は、“価格だけ”ではなく、施工会社の資材調達力や対応力も含めて検討する時代に入ってきています。
以上です。更に詳しい情報が知りたい方はエースマンション管理士事務所へお気軽にご相談ください。

