今回は理事会でよくあるトラブル事例とその解決策についてお話ししていきます。

理事会はマンションの運営を支える大切な組織ですが、「人が集まるところにトラブルあり」。実際、私はこれまで数多くの管理組合を見てきましたが、理事会内部の人間関係や運営方法の“つまずき”は決して珍しくありません。この記事では、理事会でよくあるトラブル事例を5つ取り上げ、その背景と具体的な解決策を紹介します。理事会を円滑に運営するためのヒントとしてご活用ください。

■事例1:理事長と他の理事が対立

【状況】
理事長が管理会社とのやりとりや意思決定をほぼ一人で進め、他の理事が蚊帳の外に。

原因
• 役割分担や権限範囲が曖昧
• 情報共有が不十分

【解決策】
• 議事録や連絡事項の「全員共有」を徹底
• 理事会で意思決定するルールを明文化
• 第三者(管理士等)を交えた中立的な進行

■事例2:理事の出席率が悪く、会議が成立しない

【状況】
理事の半数以上が会議を欠席し、定足数が満たせず議案決議ができない。

【原因】
• 役員の負担感が大きい
• 会議時間が長く非効率
• モチベーションの低さ

【解決策】
• 業務の見える化と分担
• オンライン会議の導入
• 外部専門家の活用

■事例3:居住者からのクレームに振り回される理事たち

【状況】一部の居住者から過剰なクレームが頻繁に寄せられ、理事が疲弊。

【原因】
• クレーム受付の仕組みが未整備
• 理事の対応範囲が不明確

【解決策】
• クレーム受付と対応のフロー整備
• 管理会社の一次対応体制
• 対応履歴の記録と共有

■事例4:ベテラン理事による“実質ワンマン運営”

【状況】
長年理事を務める人物が主導しすぎて、新任理事が意見を言いにくい雰囲気に

【原因】
• 経験と知識の差
• 過去の成功体験による固定観念

【解決策】
• 議事進行役のローテーション
• 意見交換だけの会合の実施
• 小グループでの検討→本会議での合意形成

■事例5:管理会社任せにしすぎて、理事会が形骸化

【状況】
理事会が報告を聞くだけの場となり、実質的な判断がなされていない。

【原因】
• 理事の知識不足による依存
• 役割分担が不明確

【解決策】
• 議題ごとの役割分担の明確化
• 外部アドバイザーの勉強会
• 理事の意見を問う場を毎回設ける

【おわりに】
理事会トラブルの多くは、仕組みの曖昧さと情報の偏りが原因です。ルール化・見える化・対話の促進がカギになります。マンション管理士などの専門家のサポートも、円滑な理事会運営に大きく貢献します。更に詳しい情報が知りたい方はエースマンション管理士事務所へお気軽にご相談ください。

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