今回はマンションの防災備蓄についてお話ししていきます。

近年、地震や台風などの大規模災害が増える中で、「在宅避難」という考え方が注目されています。これは、避難所に行かずに自宅で生活を続ける選択肢です。特にコロナ禍以降は、密を避ける観点からも、在宅避難を選ぶ方が増えました。

しかし、在宅避難には「備蓄」が不可欠です。今回は、各家庭と管理組合がそれぞれどのような防災備蓄をしておくべきか、具体的なチェックリストとともにご紹介します。

1. 各家庭で備えるべき防災備蓄(目安:3日〜7日分)

品目備蓄目安備考
飲料水1人1日3L × 7日分ペットボトルで確保を
非常食1日3食 × 3〜7日分アレルギー対応も忘れず
簡易トイレ1人1日5回 × 7日分凝固剤・防臭袋もセットで
ランタン・ラジオ停電対応用ソーラーor手回し式推奨
モバイルバッテリー2台以上が安心スマホ充電用
常備薬・救急セット処方薬も含む健康保険証コピーも用意

2. 管理組合が備えるべき防災備蓄(目安:100人規模)

品目目安量備考
簡易トイレ(共用用)300〜500回分トイレの利用制限時に使用
飲料水(共用)500L〜給水車が来るまでの中継用
発電機(小型)1台〜2台エレベーターや照明の一部に使用
ソーラーライト・ランタン10〜20台程度夜間の共用部安全確保
担架・救助用具1〜2セット高齢者・負傷者搬送用
防災毛布50〜100枚廊下・集会所などで活用可能

3. 備蓄の保管場所と管理の工夫

管理組合として防災備蓄を導入・維持するためには、保管場所と管理方法の工夫が重要です。

保管場所の候補】

・防災倉庫(駐車場や集会所の横など)

・機械室や受水槽室の空きスペース

管理体制のポイント】

・年1回の備蓄点検(消費期限・動作確認)

・備蓄一覧の台帳管理(Excelなどで可)

・住民向け「防災見える化」掲示(備蓄品の一覧と保管場所)

4. 管理組合ができる啓発アクション

備蓄だけでなく「居住者に伝える・参加してもらう」ことも重要です。

  • 防災訓練+在宅避難シミュレーションの実施
  • 備蓄品のサンプル展示(集会所などで)
  • 家庭用備蓄ガイドの配布・掲示
  • 自治体補助金情報の提供(防災倉庫設置・簡易トイレ購入など)

まとめ

在宅避難を現実的に考えるなら、マンション全体での備蓄体制づくりが不可欠です。管理組合の役割は、「備えること」と「伝えること」

居住者一人ひとりの命と暮らしを守るために、いまこそ防災備蓄の見直しと周知を進めていきましょう。


更に詳しい情報が知りたい方はエースマンション管理士事務所までお気軽にお問合せください。

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