今回はマンションの給排水設備改修についてお話ししていきます。
生活をするうえで水は欠かせないものです。特に築25年を超えてくると改修が必要な給排水設備が色々と発生していきます。その中で主な給排水設備改修内容を紹介していきます。
①給水管の更新工事

マンションの給排水設備で最も重要なのが給水管です。改修目安は25年~35年に1回のサイクルで給水管の更新検討が必要です。古い配管は経年劣化により内部に錆が発生し、水質の悪化や赤水の原因となります。また、配管の腐食が進むと漏水事故を引き起こす可能性も高まります。材質は耐久性に優れたステンレス管や架橋ポリエチレン管などが選ばれることが多く、マンションの構造や予算に合わせて最適な材質を選定することが大切です。
②雑排水管・汚水管の更新工事

マンションの快適な住環境を維持するために欠かせない雑排水管・汚水管です。改修目安は30年~40年に1回のサイクルで更新が必要です。更新のタイミングを見極める基準としては、排水の流れが悪くなる、異臭がする、漏水が発生するなどの症状が見られた場合、早急な対応が必要です。昨今は非開削工法と呼ばれる、既存の配管内に新しい管を形成する更新方法も普及してきており、工期の短縮や騒音・振動の軽減に効果的です。
③給水ポンプの更新工事

給水ポンプは、水道本管からの水を建物の上層階まで圧送するための重要な設備です。改修目安は15年前後に1回のサイクルで更新が必要です。給水ポンプが故障すると、上層階への給水ができなくなり、居住者の生活に大きな影響を及ぼします。最近の給水ポンプは省エネルギー性能が向上しており、更新によって電気代の削減も期待できます。また、複数台のポンプを設置して負荷を分散させるシステムも採用されることが増えています。
④受水槽の更新工事

受水槽とは、水道水を一時的に貯めておく貯水タンクのことです。改修目安は25年~35年の1回のサイクルで更新が必要です。更新のタイミングを見極める基準としては、タンク内部の劣化、水漏れ、水質検査での異常などが確認された場合です。最近では衛生面や維持管理の容易さから、受水槽を撤去して直結増圧方式に切り替えるマンションも増えています。これにより水質の向上や設備スペースの有効活用が可能になります。
【まとめ】
給排水設備というのは、建物の中に埋め込まれていることが多く、目に見えないところで劣化が進行していくものです。一度トラブルが発生すると、修理に時間とコストがかかるだけでなく、居住者の生活に大きな支障をきたします。大事なのは定期的に点検を行っておくことと長期修繕計画上に給排水設備の工事項目もしっかりと盛り込み、計画的に修繕していくことです。また、近年は環境や省エネに配慮した設備も多く開発されていますので、改修のタイミングで検討されることをおすすめします。
以上です。更に詳しい情報が知りたい方はエースマンション管理士事務所へお気軽にご相談ください。