はじめに

大規模修繕工事や修繕計画の検討にあたり、多くのマンションでは「修繕委員会」を設置しています。
しかし、設置の方法や委員会の役割が不明確なまま進めると、組合内でのトラブルや非効率な運営につながりかねません。
本記事では、修繕委員会を立ち上げる手順と注意点について解説します。

1. 修繕委員会設置の目的を明確にする

修繕委員会は「理事会の諮問機関」です。意思決定権は持たず、以下のような役割を担います。

  • 修繕に関する調査・情報収集
  • 管理会社や専門家との打ち合わせ準備
  • 修繕に関する組合員への周知・説明補助
  • 工事に関する意見や要望の整理

まずは「委員会が何を行うのか」を理事会で明確にしておきましょう。

2. 運営細則の確認と設置の根拠づけ

標準管理規約には「委員会」設置の条文があるケースが多いですが、自分のマンション規約にその記載があるか確認が必要です。

  • 規約に規定があれば、それに従って設置。
  • 規約に記載がなければ、理事会決議や細則の制定で根拠をつくる。

※重要な意思決定権はあくまで理事会と総会にある点を明確にしましょう。

3. 委員募集とメンバー構成

修繕委員会は、理事以外の一般組合員も参加できるようにするのが一般的です。

  • 募集方法:掲示板や回覧、総会での呼びかけ
  • 人数:3~10名程度(規模に応じて調整)
  • バランス:理事会メンバー、専門知識のある居住者、若年層や女性など幅広く

※「工事関係業者と利害関係のある人」は参加を制限しておくとトラブル防止になります。

4. 委員会の活動計画を立てる

最初の会合では、以下を確認しておくとスムーズです。

  • 委員長・副委員長など役割分担
  • 委員会の活動期間(例:大規模修繕工事が終わるまで)
  • 会合の頻度(月1回など)
  • 報告ルール(理事会への定期報告、議事録作成など)

5. 注意すべきポイント

  1. 権限の線引き
    決定権は理事会にあることを徹底し、委員会はあくまで諮問機関。
  2. 情報共有の徹底
    理事会・管理会社・専門家との間で情報が偏らないよう、必ず全組合員に報告。
  3. 透明性の確保
    委員会の会議記録を残し、理事会を通じて組合員に公開。
  4. なりすまし問題への対策
    近年、修繕委員を装って業者に接触し、不正に情報を得たり業者を操作しようとする事例が報告されています。これを防ぐためには、顔写真付きの身分証の提示や職歴の確認を行うことが重要です。
  5. 専門家の活用
    建築士やマンション管理士など、外部の専門家に助言を受ける仕組みを取り入れると安心。

まとめ

修繕委員会は、管理組合が効率的かつ合意形成を図りながら修繕を進めるための「実務チーム」です。設置の目的・権限・活動ルールを明確にすることで、トラブルを防ぎつつ、修繕工事を円滑に進められます。特に最近は「修繕委員のなりすまし」が問題になるケースも見られます。管理組合として正式な承認プロセスと情報共有ルールを徹底し、透明性と安全性を確保することが重要です。大規模修繕工事を控える管理組合の皆様は、早めに修繕委員会設置を検討してみてはいかがでしょうか。

以上です。更に詳しい情報が知りたい方はエースマンション管理士事務所へお気軽にご相談ください。

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