今回は外壁塗装の全面剥離時期・剥離工法についてお話ししていきます。

外壁塗装の塗替えは原則、既存塗膜の上に塗り重ねる方法で施工をいたします。

ただし、建物の築年数が35年を超えてくると、これまで塗り重ねた塗膜の付着力が低下してくる傾向にあります。

付着力が低下した塗膜の上に塗装を塗り重ねてしまうと、旧塗膜が剥離し、せっかく塗装した新規塗膜が剥がれてしまう危険があります。

一部の住宅では旧塗膜の付着力が発揮されていないにも関わらず、新規塗り重ねを行った事で外壁塗装塗替え後、数年で塗膜剥離トラブルに見舞われた事例も存在いたします。

マンション等で築35年を経過した場合、塗膜全面剥離を行ったうえで、新規塗装を行う計画が必要です。特に外壁全体が塗装仕上げの公団タイプの住宅は慎重に見極めが必要です。

マンション大規模修繕工事においては、12年~15年に1回のサイクルで実施される事が一般的であるため、第3回目の大規模修繕工事、又は第4回目の大規模修繕工事で外壁塗膜の全面剥離計画が必要となります。

既存塗膜の全面剥離が必要かを判断するためには外壁修繕の計画段階で塗膜付着力試験を実施する事が最も有効です。

試験要領は下の写真のように引張試験機を外壁塗膜に設置し、既存塗膜の強度を計測するものです。

この数値が基準値以上の良好な判定であれば、塗り重ねが可能と判断し、基準値に満たない判定であれば、既存塗膜の全面剥離検討が必要と判断いたします。

試験サンプル数は建物の規模によって異なりますが、最低東西南北を各1面行う4箇所のサンプリングは必須です。

続いて、既存塗膜の全面剥離を実施する場合の工法を2つ紹介いたします。

【工法1】
剥離剤による塗膜全面剥離

【施工要領】
既存塗膜に剥離剤を塗り、塗膜を弱らせ塗膜を剥がしていく工法

【参考写真】

【工法2】
超音波による塗膜全面剥離

【施工要領】
超音波の振動を利用し、既存塗膜を剥がしていく工法

【参考写真】

この2つ以外にもディスクサンダーによる剥離工法や超高圧水洗浄による剥離工法が存在しますが、騒音・漏水・周囲への影響を考えるとあまりオススメの工法ではありません。

以上です。さらに詳しい情報が知りたい方はエースマンション管理士事務所までお気軽にご連絡ください。

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